現在のロシアによるウクライナ侵攻でどんな影響があるのか?
直接ロシア企業との取引をされている皆さんはもちろん、間接的にでも影響があるのか等、気掛かりな方も多いのではないでしょうか?
弊社のコネクションを活かし、すぐに連絡が取れそうな中国や台湾のメーカー56社を対象にアンケートを実施しました!
アンケートを送付した56社のうち、3/14~17の間に33社から回答を入手できました。
全体の6割では影響を受けていないとの回答ではあったものの、既に影響を受けているメーカーと今後の影響を懸念しているメーカーを合わせると、およそ4割で不安がある状態ということが確認できました。
「影響有り」と回答した4社について、内容を大きく分けると上記の3点となり、そのうち原材料については、特に銅やステンレス、アルミといった金属系部品での値上げが決定しており、それによる今後の供給不足を予測しているメーカーもありました。
既に影響を受けていると回答があった4社以外の29社に、それぞれ今後どのような影響があると考えているのかを聞いてみました。
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今後も影響は無いと考えている:11社
原材料や部品のコスト増:10社
当該国との取引減少:2社
納期の延長:2社
予測できていない:3社
これまでよりも多くの問い合わせを獲得できると考えている:1社
自動車分野からのオーダーが減少する:1社
世界的な景気後退による市場需要の低下:1社
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全体的に多く見られたのは、コスト増に関する回答でした。
かく言う弊社でも、航空貨物便の大幅な減少を背景に輸送費が高騰しているということで、取引先数社から航空便の燃料サーチャージ分の費用負担依頼を受けているといった状況です。
メーカー18社では、コロナ前と比べても特に納期では大きく変わった点はないそうです。
納期が悪化していると回答した11社では、リードタイムが1週間程度延びているという部品メーカーもあれば、昨今の半導体部品不足の影響でリードタイムが6~8ヶ月にもなっているという装置メーカーも。
弊社内の業務で最近遭遇した例ですと、通常、深センのメーカーから製品を輸入する際には中国国内での中継地点として香港を経由することがあるのですが、香港でのコロナ流行の影響で物流がストップしてしまい、深センから直接日本に向けて出荷してもらうことで何とか事なきを得た・・ということがありました。
これがもし既に香港に製品が届いてしまっていた後だとしたら…。
いくら納期に余裕を持った手配を心掛けているとは言え、きっと希望納期通りには入手できなかったことでしょう…。
回答があったうち、8社では「変わらない」との回答でした。
しかし、「高騰している材料費を生産効率を高めることでなんとか補っている」や、「1年以上前から既に10~15%程度上がっていたため今年は変化がない」という回答も…。
一番上昇率が小さかったメーカーで3%、最大では50%も上昇したというメーカーもありました。
何かしらの原価の上昇があると回答したのは21社で、ほとんどが原材料、特に金や銅、アルミ等の金属系や樹脂系材料のコスト増に言及しており、それ以外では輸送費や人件費、中には「電気代が増えた」というメーカーもありました。
また、製品の生産量が減少したことで1点あたりの原価の割合が大きくなったという回答も見られます。
以上、簡単なアンケートでしたが、皆さんいかがでしたか?
中国や台湾メーカーの生の声に一度にまとめて触れるという機会もなかなか無いのではないでしょうか。
また数週間~数ヶ月が経過したら同様のアンケートを再度実施して変化を調べてみたいと考えています。